昔から月や星を眺めるのは好きだけど、
こんなに美しい月を毎日のように見られる長月は初めてかもしれない。
手を伸ばして、
食べてみたらふんわり、とろけるような。
そんな月。
空高く上がると、
街の灯りに劣らぬほどの明るさで、夜の道を照らす。
そんな月。
土手の杭に座ってしばらく眺めていたら、いろいろなことを思い出した。
土曜日に、子どもたちの運動会に行って。
なんとも言えない気持ちが、ずっと心にあった。
実家のきょうだいたちにも電話したりして、
どうしてこんな気持ちがおさまらないの。
大切なことを忘れていた。
私の生まれ故郷は、月の名所。
今は廃れてしまったけれど、運動会ではいつも、
全校ダンスとして校歌を踊ったんだ。
校歌には、「月」を含む表現がたくさん。
そして、
私は。この身体は。
長月の、十五夜の頃に。
この地球に生まれ落ちたんだった。
そんなことを思い出しながら月を眺めていたら、
ひとつ、涙がはらり。
そして、ふたつ、みっつと
涙がはらり、はらり。
ああ、そうか、
どうしようもないくらい。
故郷が懐かしい。
私が生まれ育った、ふるさと。
私という人間の、人生。歴史。
離れているからこそ、
いま、
故郷が恋しい。
私は今のこの国の社会体制が嫌いで、
下手すると本当に近いうちにこの国を出ていくことになると思う。
けれど、あの月の名所は。私の故郷は。
いつまで経っても私の故郷。私が帰るべき場所。
そんなことを思いながら、月を見上げて泣いていたのでした。
月見のお供が月見団子ではなくてDr. Pepperっていうところが、
私が進むべき道を表しているのかも。
明日は、敬老の日。
じいちゃんばあちゃんに電話しよう。
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