私には、西アジア系の恋人がいた。
私たちはいつも何かに追われていて、
なかなか二人きりにはなれなかった。
どうやら戦争中だったようだ。
親しみのある場所で、爆撃に遭った。
空から爆弾が降ってくることの
なんという恐怖。
自分たちに当たらないことだけを願った。
私たちは何を守っていたのだろう。
何か、書類が山積みだった気がする。
ごはんも、友人のつてのあるところでしか
ゆっくり摂れなかった気がする。
お風呂にも入れず、浅黒く汚れたままの逃亡だった。
私たちは深く愛し合っていたと思う。
夢から覚めたいま
顔も思い出せない西アジア系の彼の
強くて暖かい愛情だけが残っている。
一体何を意味するんだろうか。
戦争が、もうすぐやってくるの?
それとも、私は、
どんなに辛くとも、生きていかなければならないの?
私は、いつまで経っても独りで生きていくことはできないの?
苦しいよ。
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