<マエカケ>と、<エプロン>。
前者だったら、何を思い浮かべる?
後者だったら?
下の3つの絵は、どの語で説明する?
私は、左と真ん中が、<マエカケ>。
右だけが、<エプロン>。
人にもよるけど、
左は<マエカケ>、右は<エプロン>、
真ん中はどっちも言える人が多いみたい。
これ、今日授業中に余談で学んだことなんだけどね。
日本語で古くから使わてている<マエカケ>は、
「腰から下を覆うもの」なのだそうだ。
つまり、私は、その古い意味だけで
<マエカケ>か<エプロン>かを使い分けている。
一方、<エプロン>と聞いて、日本人が思い浮かべるのは、
「洋風」ということば。
<エプロン>ということばが定着するにしたがって、
「洋風」とそうでないものの区別をすることば
「和風」が、<マエカケ>と<エプロン>の区別に使われ始める。
そうして、物体的には<マエカケ>である真ん中のものが、
「洋風」であることをふまえて、<エプロン>と認識されるらしい。
モノに対する認識が変わると、そのモノに使われることばも変わるのだ!!
驚いた。びっくりした。
そして、とても感動した。
発見とは素晴らしい。
ちなみに、韓国語では、エプロンのことを
「前スカート」(直訳)というらしい。
文化によって認識のしかたが異なることを、
ことばがそのまま教えてくれるんですね。
私の専門は今のところ統語論だけれども、
こういうことを考え始めると、
認知意味論も面白いし、納得できる。
世界にはっきりした区切りなんてなくて、
実は生成文法も認知意味論も、
根底ではつながっていると
私は確信しているけれど。
日本語も、捨てがたい面白さを持っている。
言語は、楽しい。
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